「参入障壁が高い」九州商船のストは五島の社会問題の氷山の一角

五島のインフラ・船

五島列島は、九州から隔絶されているため、「船」が大きな輸送手段となります。

それは人だけではなく、農産物品も含めて、大事な足です。

そんな海上輸送を担っている「九州商船」ですが、年末にストライキを起こしました。

それでもって住民はあたふた。時期が年末だけに、行政も含めて対応に奔走している感じでした。

ストの経緯については「市長のメッセージ」が参考になります。

市長のメッセージ

ポイントとしては以下の点です。

  • 五島市の長崎航路は九州商船の独占。

  • ストは、憲法が保障する認められた権利で、2度目のストがないとは言えません。

  • 五島市民の暮らしを守るため、ストがあってもその影響を少しでも緩和する方策を考えなくてはなりません。

まあその通りなのでしょう。

状況説明としては正しいのかもしれませんが、問題はその方策を

「誰が」

考えるかです。政治のリーダーとしては、そこを明確にしてほしいですね。問題が社会インフラ的側面を持っているので、これは

行政が方向性を示す」

べきだと思います。(今回のメッセージは、その布石なのかもしれませんが)

方向性としては、以下の二つでしょう。

  • 九州商船の経営に対する申し入れをする
  • 代替手段としての会社を検討する(有力)

ストについて

庶民感覚で言えば

「会社が嫌なら辞めればいいんじゃない?」

って感じですが、従業員がストを起こすことにより得られるメリットが期待できる場合は、話が別です。

冒頭でも述べたとおり、年末のストの影響は甚大で、それはそっくりそのまま「経営へのダメージ」として響きます。

結局は会社側が妥協してストは解消されましたが、今後も不安定な経営が続くと予想されます。

そうすると、やっぱり問題の本質は「独占」という点に帰着されそうです。

独占に対する行政的対応

五島には、実は九州商船だけではなくて、他にも独占があります。

五島バスとか観光協会とか九州電力とか五島病院とか。

東日本大震災を機に電力の自由化はされましたが、2020年問題で五島は地域電力の母体を創出できるか、ちょっと怪しい感じがしています。

まだ表面化していませんが、こうした「独占組織」には、他に代替手段がないという点で、常にリスクが付きまといます。

行政として出来うることは、補助金を出して第三セクターを作るのではなく、規制を緩和してプレイヤーとしての企業(起業も含む)を誘致することではないでしょうか?

今回の問題を機に、市民も含めて

「もっと外部からも、参入させんばね」

っていう社会的な機運が高まれば、ストは決して無駄ではなく、一定の社会的な雰囲気作りをもたらしたのだと、私は思います。

行政には、もっとそういう面での規制緩和を期待しています。

新規参入を阻む無駄なルール

2017年3月の市議会を見ると分かるのですが、航路の新規参入をする際のハードルが無意味に高いのです(動画はこちら)。

ハードルの内容は、

「採算の低い路線に対しても、指定された回数運行すること」という、「指定区間のサービス基準」です。

分かりますかね?

ビジネスとは真逆の福祉的発想です。

飲食店にたとえると、

「新たな店を福江島に作るのはOK。ただし、二次離島を含む採算の採れない島にも、平日は○営業日、店を開けなければいけません。」

というルールです。

そのため、参入する事業者は、「二次離島の生活確保」というビジネスとは真逆の福祉政策を履行することが求められるのです。

「儲からない店は廃止!」

っていうのは、飲食店であればごく普通の発想ですが、航路の場合はそれが出来ないのです。

奈留島を始めとする二次離島への交通確保が課題であるならば、それは民間企業ではなくて、市役所が請け負うべきです。

九州商船が会社的に儲かっていないのは、(補助金があるにせよ)企業として行うべき合理化を胸を張って出来ないためです。

今回のストの発端となった「鞍替え」も、「儲かることが第一の会社の考え方」としてはごく当たり前のものだと思います。

行政も市議会も、まずは民間の活力を削ぐような、「無駄なルール」を撤廃することが第一なのではないでしょうか?

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