私が市長だったら-12-長期戦略と意思決定の迅速化

公共施設と財政負担

市役所や県と言った地方公共の団体が提供するサービスの一つに、「公共施設の維持管理」があります。具体的には

  • 図書館
  • 体育館
  • 文化会館
  • 運動場

などがあります。なんとこの公共施設ですが、五島市に限っては、公共施設(建築物)が、全 704 施設、1,333 棟、総延床面積約 34.0 万㎡となっています。

あまりピンと来ないかもしれませんので、他の市町村と比較してみますと、

人口 37,327 人(平成 27 年国勢調査)で換算すると、人口一人当たりの床面積は、9.09 ㎡/人となり、全国の平均 3.75 ㎡/人及び長崎県の 5.29 ㎡/人を上回っています。

単純計算で3倍近く、公共施設の数が多いということです。

なぜ公共施設が多いのか?

公共施設が多い理由としては、

  • 合併前の市町村が保有していた施設を継承している

事が主な理由です。(五島市は、平成 16 年 8 月 1 日に、福江市、南松浦郡富江町、玉之浦町、三井楽町、岐宿町、奈留町の 1 市 5 町が新設合併し誕生)

それに加えて、五島特有の地理的な条件から、サービスを集約化するのが難しいという点があります。

山間部の地域はアクセスが悪く、長崎から直接アクセスできない周辺の島々(二次離島)は、更にアクセスが悪いです。

その状況を端的に示すマップがこちら。

人口規模で見ると、意外と富江と奈留に多いな、っていう印象ですね。

老朽化している施設が半分以上

そして気になるのが、施設の維持管理・更新に費用が掛かるということです。

五島市公共施設等総合管理計画によると、

本市の築 30 年以上に該当する施設は182,725 ㎡(53.9%)ある。公営住宅等の様に既に長寿命化計画を策定し、計画に沿って改修工事・建替え等を実施している施設もある。

2017年時点でも半分以上ですが、今後も負担は増えていきます。

10年後にはさらに69,206㎡(20.4%)の施設が築 30 年以上となり、全体の 74.3%の施設において、更新・改修等の対応が必要となり、今後の整備費用はさらに膨らむことが予測される。

と紹介されています。

現在の市役所の方針は?

3つほど方針が示されていたので、ご紹介します。

方針 1 公共施設(建築物)の適正配置と安全性の確保と有効利用

平たく言うと、使われる見込みのなさそうな施設を統廃合したり、民間に譲渡したりして、コストを減らしましょう。

って感じです。

方針 2 公共施設等の計画的な予防保全等の実施により長寿命化を図る

平たく言うと、これからも使われそうな施設は、長く使えるように丁寧にお手入れをしましょう。

って感じです。

方針 3 公共施設等の効率的な管理運営を目指す

平たく言うと、極力コストかけずに、スマートに運営しましょうね。

って感じです。

方針1~3を見ますと、「まあ、そりゃそうだよね。」っていう感じです。

市役所の亀さん目標

上記の方針に基づく結果として、

40年間で40%の施設を削減する目標

だそうです。年間で1%ずつ施設が減っていく計算ですが、計画そのものは、10年単位で見直すとしています。

行政として長期的な目標を立てることは大事ですが、

計画の見直し頻度が低すぎる

ことは大きな問題です。10年後の世界、及び日本を取り巻く環境は大きく変わっているはずです。

「10年後に見直す」

なんていう、亀さんみたいな目標を立てても遅すぎです。大体、自分たちの後の世代に、自分たちが実行出来ない計画を残してどうするのでしょうか?

大切なのは、時代の変化に柔軟に対応できる意思決定の仕組みを構築し、機動力を持って対応できるチームを作ることです。

大切なのは長期ビジョン

そもそもの問題は、現在の五島市に、発展性のあるビジョンが存在しないことです。

人口減少対策を最大の目玉に据えている

とありますが、どうやって移住者が増えるか?健康寿命が延びるか?という核の部分が不明確です。

例えば分かりやすい例として、

「島内で完全自動運転を実現する」

というビジョンを掲げた場合、現在市役所で統廃合が計画されている「老朽化施設」の位置づけもずいぶんと変わってきます。

自動運転と言う枠組みで大きな施設を見直せば

  • 電波を発信する基地局
  • 電気スタンド
  • 実証実験段階の「道の駅」

と言った、有効な活用方法が見込まれます。

長期ビジョンがなければただの「負の遺産」ですが、長期ビジョンがあれば、資産の価値や位置づけも変わってきます。

ですので、大切なのは長期ビジョンと、それに基づく改革をスムーズに実行する意思決定の仕組みです。

現状の問題は、

  • 大型の建物(ハコモノ)を活用する長期ビジョンの欠如
  • 計画を迅速に実現するための意思決定プロセスの欠如

です。

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