社会の効率化によって「行き場」を失う高齢者

皮膚科にて

9時から開く皮膚科に行った所、予想外に待たされ、1時間半かかりました。

テレビが大音量で流れて、ご高齢の方々はそのスクリーンに視線を釘付けにされていました。

その中で、私が不思議に思ったのは、

誰一人としてイラついた様子を見せていない

という事でした。もちろん皮膚科の中には、雑誌や漫画といった暇つぶしグッズもそれなりに取り揃えられていて、患者が退屈しないようにもなっていました。

熱心にテレビを眺める高齢者を見ていると、病院とか薬局とかは、高齢者にとっては「暇つぶし場」として機能している気がしました。

これは若者、特に働いている人からすると違和感です。

  • 若者:病院での待ち時間を最小化したい
  • 高齢者:最小化しなくても困らない

映画を1本見えるくらいの時間ずっと待たされているのに、

「待ち時間が長いよ!」

と、文句を言う人がいないのは、サービスを受ける圧倒的多数が高齢者だからです。

医療効率の最大化

医療現場には、数多くの効率化できる箇所があります。

今後はIT技術の普及により、在宅で診療も可能になるし、電子カルテで無駄な書類の記入といった手間も省くことが出来ます。

IT技術を最大点に活用すれば、医療に掛かる時間は移動も含め、10分の1程度になる気がします。

しかし「暇つぶしの場の役割」を考慮すると、効率化(=時間の短縮)が果たして高齢者にとって良いことなのかどうかは、疑問です。

最大限効率化された医療を想像すると、患者はベッドから一歩も外に出ず、最適な医療サービスを享受することが出来るはずです。

同じことは、商業施設についても言えます。ネット注文・移動スーパーによって、益々高齢者は「外に出る理由」がなくなります。

健康寿命の最大化

五島市の行政方針もそうですが、財政負担を強いられる役所からすると、高齢者に

出来るだけ長く健康で居てもらうこと

が最大のテーマです。

そのため、行き場を失った高齢者が自宅に引きこもったりして健康を害し、結果として健康寿命が短くなることは、社会的にみても望ましくありません。

つまり、医療効率の最大化は、必ずしも健康寿命の最大化には結びつかない、と言うことです。

健康寿命を最大化するためには、社会効率を行う前段階として、

「高齢者が外に出て暇つぶしをする場所」

が必要になってくるでしょう。

それは必ずしも、現在の「スーパー」、「病院」である必要はありません。むしろそこでは、今までのように時間を潰せなくなります。

そういった意味では、割と元気な高齢者が気軽に麻雀の出来る場所や、身体を緩く動かせるような場所も、今後益々必要になるでしょう。

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