五島市の水産事情

海の宝庫・五島

本日は、五島市の水産業の概要についてご紹介します。

漁業就業者推移を見ますと(港勢調査より)、

  • H5年:2473人
  • (中略・・・)
  • H25年:1077人

と20年間で56%も減少しています。魚が取れないことに加え、私たちの生活の魚依存度も徐々に減少していますので、

昔と比べて漁師が生き辛くなっている

ことが見て取れます。人が少なくなると言うことは、衰退産業であるということです。

採るから育てるへ

同じく港勢調査によると、

海面漁業の漁獲量・漁獲高は減少傾向であるのに対し、

海面養殖業の漁獲高は増加傾向にあります。

これには、H23より増加した、クロマグロの養殖が大きく寄与しています。

陸上養殖としてマグロを養殖している事業者は、五島では7箇所あるそうです。

本日は、その中でもよく耳にする「ツナドリーム五島」をご紹介します。

お見合い大作戦にも多くの方が参加されていました。

クロマグロの種苗生産

市役所提供の資料によると、

種苗センターは学校法人近畿大学と豊田通商が連携し、クロマグロ人口種苗量産化を目的とした取組みの一つです。

採卵したクロマグロの卵を孵化させ、稚魚まで育成する陸上養殖で、クロマグロ完全養殖サイクルにおける川上の機能を担い、2020年までには約30万尾の生産を目指している。

そうです。フローとしては

  1. 種苗センターで人工孵化
  2. 種苗センターで陸上養殖
  3. 6cmほどに成長すると沖出し(円形イケスで育成)
  4. 30cmくらいに成長すると養殖業者へ販売(一分は完全養殖)

だそうでして、小さい状態のマグロ(ヨコワ)を出荷するのが大きな部分です。

ここで働く社員の方に聞いた話だと、

マグロは繊細な生き物だから、育てるのが難しい。台風や雷で大量にやられてしまう場合もあり、天候に左右される部分が大きい。

との事でした。生き物を育てるのは大変ですね。

磯やけ対策

そもそも、五島の漁業が衰退してしまった大きな原因の一つは、「磯やけ」です。

「磯やけ」とは、海が砂漠化して、生物がいなくなってしまう状態のことです。

この「磯やけ」には、沢山の理由が指摘されていますが、崎山沖では「食害」が原因であるとの仮説を立てて、藻場の再生を行っていました。詳しくはこちら

『磯焼けは「食害」が原因』という長崎県の立場だそうですが、私はもう少し、生態系全体を含めたアンバランスが原因だと考えています。

「食害」というと、どうしても魚が悪者のように聞こえますが、魚の量ってそれほど変わっておらず、むしろ藻場の力が弱まってしまったことが原因ではないでしょうか。

  1. 護岸を埋め立てる・広葉樹林を伐採する
  2. 山から海に鉄分が流れてこなくなる
  3. 藻場の力が弱まる

という形で、「魚の食べる量」と「藻場の力」の均衡が取れなくなり、結果として藻場の海藻類が食べつくされてしまったのではないでしょうか。(詳細はこちら

縦割り行政の弊害

漁場の復活は、水産庁だけが管理するものではなく、林・森・都市計画といった総合的な視点でのプラン作りが必要です。

現在の縦割り行政の弊害として、漁民は海のことだけしか考えず、農家は山のことしか考えず、という狭い発想になってしまっているのではないでしょうか。

もちろんそれだけなく、市民生活が与える「ゴミ問題」とも深く関わっていますし、企業が生産する活動にも関わってきます。

その意味で言えば、行政組織の人間は、大前提として、「環境部」であるべきです。

  • 環境部・水産課
  • 環境部・林野課
  • 環境部・市民生活課

さらに、最大公約数的な「環境問題」を解決する機能が必要ですから、

  • 環境部・統括課

という役割を、縦割りではなくアメーバ状に組み込むよう必要があるでしょう。

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