入札制度に対する提言

飲食店で聞いた話

五島市の飲食店で、佐世保から「土木の入札」のために来られた方とお話をしました。

(そもそも入札って何?)

という方はこちらの情報が参考となります。

平たく言えば、役所が工事を計画した際に、事業者として一般の企業に募集をかける制度のことです。

そして複数の企業が名乗りをあげた時に、どういう基準で業者を選ぶのか、という事ですが、「ランダム係数」という数値を金額に乗じて、出来るだけ恣意的な決定にならないように工夫をしているそうです。

結果発表のために来る業者

それで面白かったのは、わざわざ結果発表(抽選会?)のために五島に出張に来る業者さんが、少なからずいると言うことです。

役所では、出張の方が「日帰り」にならないように、わざと時間をずらして、島に足止めさせようとしているようです。

五島市としては、宿泊や飲食業にお金が落ちるので経済活性化に繋がりますが、事業者から見れば負担でしかありません。

台風や機材の不具合により、本土との横断が安定しない五島は、来るだけでも時間と経費も含めて大きな負担となるからです。

今では電子化されている箇所も多いそうですが、未だにルーレットによる原始的な抽選方法を取っている場合もあるみたいです。

五島に来なければ、入札に参加させない

と言うのは、ビジネスマンではなく、ヤクザの発想です。

五島市でいえば、非効率な入札制度のプロセスを改め、インターネットで出来る抽選会ではなくて、「出張に着たくなるような島」を目指すべきでしょう。

「地元ファースト」の建前

入札には、どの企業でも自由に応募できる「一般競争入札」と、
発注側が入札できる企業をあらかじめ指定する「指名競争入札」があります。

長崎県では、1億円以上の工事の場合に、一般競争入札制度を取っているそうです。

聴いた話で面白かったのは、それ以外(指名競争入札)の場合は、本社を長崎に置く企業しか参加出来ないのだそうです。

日本の都道府県に国境はありませんが、指名競争入札制度は、「地元ファースト」の「ブロック経済」制度と言えます。

考えてみれば、五島には「○○建設、○○建託」といった、大手のゼネコンが存在しません。

ちなみに、平成29年度の建設工事登録業者数は、五島市内では100業者(市内在住の従業員が合計で904名)あるそうです。

そのうち、支店等が11業者。小さい業者では従業員1人という支店もあり、大きい支店では30名前後の雇用をしているそうです。

地元の工事は地元に任せる

というのが、日本の全国各地で浸透している隠れた伝統、暗黙のルールであり、都道府県を単位とした一種の「国境線」です。

ボーダーを跨ぐネット世界

しかしながら、小売の現場を見れば分かるとおり、私たちの生活は「地元の産品だけ」で成り立っていません。

例えば、指名競争入札で工事を請け負った業者が、全ての資材をAmazonで調達していたら?

業者は費用を節約し、儲かるかもしれませんが、経済循環という意味では、「地元の」工務店が儲からず、経済効果が波及しません。

でもだからと言って、商工会議所がよく言うように、

「出来るだけ地元のモノを買ってください」

とお願いをしても、経営者の判断とはズレが大きいです。

「指名競争入札」は廃止すべき

今後は、ECサイトのビジネスにおける比重が高くなります。

ヒトもモノもサービスも、「地域」に縛られず最適な値段で得ることが出来ます。

そうすると、ますます労働の単価は可視化され、安い人材が競争に参入してくることでしょう。

「地元ファースト」の論理では、

  1. 現在でさえ「地元の経済効果」に対する効果が薄く
  2. 今後は更にオンライン空間の商売が発達し、壁が薄れる

と見込まれます。私たちの生活は、良くも悪くも「場所」に対する依存度が薄れ、「ヨソモノ」が知らず知らずのうちに生活に入ってきています。

そのため、「指名競争入札」を維持することは

老朽化しシロアリに食われている家にいつまでも住み続けていたい願望

の延長でしかありません。

ですので、指名競争入札制度は廃止し、「本当に必要な投資」を効果的に呼び込むような、新しい入札制度を検討すべきです。

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