経済危機が起きた時の救済措置を考える

リーマンショックが起きた場合

本日は、100年に1度の経済危機が訪れたとき、

地方自治体はどんな救済措置を取るのが効果的か?

を考えてみたいと思います。

経済危機とは、大工さんも、小売・飲食店も、電気屋さんも、皆一律に仕事が減って困っている、という状態です。

2008年の草野市議のお話を引用します。

市民との話の中で、最も多かった訴えは、困窮した五島の経済問題でした。

派遣を切られ、五島へ帰ってきたが仕事がない。以前勤めていた会社が倒産し、仕事を探しているが、なかなか見つからない。

農業をしているが、現在の状態では、とても子どもに継がせることができない。これ以外にも暮らしが苦しいとの訴えが多くありました。

題材としては、実際に五島市で2008年に市議会で討議された内容を基に検証してみます。

市議会の基ネタはこちら。(平成21年3月定例会・向原安男議員・地域活性化について)

市議会では3つの方法が提案されていましたので、それぞれ見ていきましょう。

プレミアムつき商品券の発行

昔からある、「地域振興券」です。

特徴としては、購入した金額に対するプレミアムが付与されるため、使い道が決まっていれば、消費者にお得な制度となります。

長崎県が始めた「しまとく通貨」も似たような仕組みですが、地元の人ではなくて、観光客が利用できます。

しかし一方で、

  • 行政が商品券を発行するコスト
  • 店舗が受け入れを可能にするコスト
  • 市民に商品券を知らせるためのコスト

などが掛かり、中々スグに始められることではありません。

商品券の難しさは、それに加えて、

どの店舗を導入対象とするのか?

という点で、ここが政治的な判断となるため、実行に伴うハードルはかなり高いです。そのため、経済対策としての「商品券」は、メンドクサイ割にあまり効果がなさそうです。

火災報知器の全戸配置のための助成

市議会での提案によると、

火災報知器の購入に市が助成することで、多くの市民の皆さんが利益を受け、かつ電気店など業者の営業促進にも大きな力になる

ということで、防災力の向上と、電気店の売上向上の二つの効果があると紹介されています。

ただ、これも実体の調査をする手間が掛かることに加え、電気店のみに便宜を図ることが、島の社会全体にとってプラスになるのか?という問題もあります。

こちらも商品券と同じく、新たに導入する手間が掛かり、効果も薄いだろうと考えられます。

住宅リフォーム制度の創設

2008年当時、地元の大工さんは非常に困っていたそうです。市議の陳情によると、

市内の大工さん、左官さんは仕事がなくて泣いています。本当に今、大工さんどう言っているかというとね、本当に6ヵ月間仕事がない。大工仲間は出稼ぎに行った。何とかしてくれという声ばっかりです。

という感じです。住宅リフォームに掛かる金額は大きく、件数もそれほど多くはないことから、取り組むべき方向性としては合っている気がします。

ただ、こちらも他の二つと同様に、

  • 制度を創設するために、税金を基にした行政コストが必要
  • 他の事業者への救済措置がないことに対する不公平感

が付きまといます。

まとめ

政治の役割が「最大多数の最大幸福」ならば、原則としては

「金額の大きな需要の喚起」を行う制度が望ましいでしょう。

ですので、今回の例で言えば、金額的には

商品券<火災報知機<住宅リフォーム

の順番になりそうです。ただ、こうした経済対策は、風邪を引いたときの「風邪薬」に過ぎませんので、長続きはしません。

根本的には、「風邪になりにくい」体質になる必要があります。

五島の場合は、産業構造が脆弱であるため、新しい産業を創出することが一番大切なことでしょう。

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