【FITの弊害】ソーラーパネルの不良債権化

固定価格買取制度の罠

2018年10月4日の朝日新聞のニュースによると、

経済産業省は、再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度(FIT)の見直しに着手する

そうです。その理由は、当初の予想以上に太陽光パネルが増えすぎてしまったために、様々な弊害が生じているからです。

具体的な問題を挙げると、日本国民へのしわ寄せ、電気の安定供給へのしわ寄せ、環境そのものへのしわ寄せ、です。順番に説明すると、

  1. 再エネ負荷金により、電気料金が高くなり続けている
  2. 太陽光の過剰供給により、出力抑制が必要なレベルになっている
  3. FITの太陽光利権により、地方の山が削られている

ということです。「2」については、具体的にこんなニュースがありました。

九州電力 今秋にも出力抑制実施 再生エネルギー事業者に

簡単に内容を説明しますと、

今までは無制限に固定価格で買い取るとされてきた太陽光の電気が、増えすぎちゃったので抑制されるという形です。

詳細の記事はこちら。

[日本]FIT制度の変遷と改正ポイントを分かりやすく解説

今回のニュースで明らかになったのは、いよいよ太陽光発電が「不良債権化」しているということです。

太陽光発電は「スギやヒノキ」と同様、『負の遺産』となる

考えてみれば当然のことですね。

火力発電・原子力発電の割合も、国の2030年目標では堅持される方針ですので、風力や太陽光は受難です。

再生可能エネルギーの今後

再生可能エネルギーは、太陽光の雲行きが怪しく、風力も風当たりの悪い状態が続く感じです。

その理由は、ベースロード電源としての原発が再稼動するに従い、発電事業者の採算が悪化するからです。

日本のエネルギー政策の舵取りを俯瞰してみると、

政府:「とりあえず」脱原発を謳い、エネルギー改革を実施

  →FIT制度の導入、小売自由化、発送電分離

民間企業:「とりあえず」儲かる太陽光発電を導入

  →全国に発電設備が乱立

電力会社:原発推進、再エネ推進、電力の安定供給、採算性の間で板ばさみ

という形で、長期的な視点のないまま国も民間も動いてしまったしわ寄せを、電力会社がしわとりしている感じです。

しかしどうして国は、長期的な視点に立った政策が立案出来ないのでしょうか?

その理由は、国(主に経済産業省)に対する大きな発言力を有する大企業が、「短期的な利益」を追求する圧力が高まっているからだと考えられます。

東芝の不正会計問題や、スルガ銀行の不正融資問題を見ても分かるとおり、企業は益々「短期的な利益」を求められるようになり、無理な経営を強いられている形です。

それでは一体誰が、企業に「短期的な利益」を求めているかと言えば、海外の機関投資家やファンドでしょう。

日本の企業は、この「グローバル金融主義」の流れを意識しなければ生き残れない時代です。

1秒1刻を競って利益を上げるためには、長期的な視点だとか、国の特性だとかは一切無関係です。

金融化する世界経済を知るための読みやすい本5選

まとめ

すごくざっくり流れをまとめると、

  1. 日本企業が金融化するグローバル経済に巻き込まれる
  2. 投資家が「短期的な利益」を日本の大企業に求める
  3. 大企業が「短期的な利益」を実現する政策を経産省に求める
  4. 国が「長期的な利益」にならない政策(FIT制度)を実行する
  5. 私たちの生活が電気料金の値上げで苦しくなる

という感じでしょう。ここで注目すべきなのは、

脱原発&クリーンエネルギーの促進

という、聞こえの良い看板と宣伝が、日本全体で流布していることです。少なくとも、日本のお粗末なエネルギー政策では、

本当に国にとって必要な政策か?

という点が、あまり考慮されていない形です。

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