私が五島市長だったら-28-脱国策

国策に翻弄される五島市のエネルギー政策

エネルギー政策について、五島市では「再生可能エネルギー基本計画」というものがあります。

これは期間が17年間に及ぶ非常に長い計画となってまして、前期と後期に分かれているそうです。

この計画は、一言で言えば、

「国策に従って、忠実に再エネの実証実験地を整備します!」

というモノです。

本日は、この事業計画書から読み取れる、五島市の実情をご紹介します。

基本構想は?

基本構想では、

今後も「エネルギーのしま」として先進地域となり、かつ経済的にも持続可能な発展を遂げていくために、将来の本市のあるべき姿を定め、(中略)将来のありたい姿を「未来像」として示したものです。

と、如何にも「優等生」な謳い文句が提唱されています。ちなみにここで言う、「エネルギーのしま」とは、再生可能エネルギーの事です。

エコな島?

風力発電や潮流発電で度々言われることですが、「五島はポテンシャルが高い」と言われます。具体的には、風力や潮流の発電量が高い、という事です。

そうした事から、環境省や経済産業省が行う実証実験の基地として候補に上がり、実験が推進されています。

ただ、順序としては「五島市側」からの発案ではなく、あくまで国の側(及び大手の事業者)から持ち掛けられた話な気がします。

なぜなら、こうした大型事業は、とても五島市だけの力では推進できないからです。

財源の厳しい五島市にとっては、「雇用創出が見込める」という部分もあるため、誘致には積極的です。

こうした部分もあり、表向きは、Win-Winの関係を見込んでいるそうです。

計画は上手く行っているの?

これも12月の市議会で取り上げられましたが、再エネの普及は物理的に行き詰っています。

  • 太陽光:容量が満杯で受け付けられない
  • 海底ケーブルの整備:国が行動を起こさない
  • バイオマス産業都市構想:1ミリも出来ていない
  • 潮流発電:容量が満杯であり、厳しい

こんな状況に対する、市長の見解は

「第五次エネルギー計画では、国が『再エネを主力化していく』と述べているから、現段階では見直しを考えていない」

そうです。

「再エネ促進」は、以前の市長から継承してきた肝いりプロジェクトですので、今更「見直す」という事では示しがつかない、という部分があります。

ですが、これから起こるであろう事を真剣に考えれば、この段階で立ち止まって計画を見直す勇気も必要です。

再エネの負の遺産化

現在でさえ、地域電力の事業で採算を出せる事業者がいないという状況ですが、2020年以降は、更に状況が厳しくなります。

総括原価方式が撤廃され、大手電力会社が市場に参入すると共に、FITの期限も切れるからです。

再エネ事業者にとって、一番の問題は何といっても、契約者数が伸びずに事業の継続性が見込めないことです。

もし市役所が地域電力から再エネを買うという事になれば、財政的な負担は大きくなるでしょう。

こうした「国策の失敗」が徐々に顕著になってきますが、問題はその後です。

負の遺産として残された「再エネ設備」たちは、先人たちが汗水垂らして築き上げた「負の遺産」となります。

市役所でも管理できない、民間の買い手がいない、という事で、軍艦島と同じ状態になります。

五島市ではかつて、「e-むらづくり事業」という国策(及び大手ゼネコンの罠)にハマり、多大な市民負担を強いられる出来事がありましたが、今回もそんな気がします。

まとめ

五島市は、環境省や建材産業省と言った省庁の意向を最大限に汲み取る、いわば下請け業者のような存在です。

彼らは市町村に、「それらしい論理」(持続可能でエコな島づくり)を求め、市民への理解を促します。

ここでの問題は、「事業が失敗した時」です。

再エネの普及は、ドイツを始めとして失敗事例が世界で報告されているにも関わらず、国策はなかなか止まってくれません。

ようやく採算性が悪いという事に気づいても後の祭り。地方自治体には「負の遺産」だけが残る形になります。

これからの市町村経営は、「自分の頭で考える」必要性があります。

ただ国から言われたことを、忠実に従っているだけでは、負債を背負わされるだけです。

五島市の場合は、国に対する発言力を高めるためにも、自主財源比率を高めて依存度を減らし、自分たちで地方の経営を良くしていくんだという気概が必要です。

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