「沖縄問題、解決策はこれだ!」を読んだ感想

沖縄と五島

本日は、最近読んだ本の感想のご紹介です。

なぜ五島に住んでいる私が、沖縄の事を注視しているかと言うと、「五島と沖縄」には共通点が多いからです。ざっと挙げると、

  • 国境付近であるため、国際政治のリスクに振り回される
  • 国への依存度が高く、補助金の支給額も大きい
  • 住民の意思決定権が、無視されることが多い
  • 外部とは物理的に断絶された島

私としては、沖縄と五島を(勝手に)兄弟みたいに思ってまして、

「同じジレンマを抱える島として応援したい」

という部分があります。

経済対策は外資の誘致

書籍の中で、橋本氏は沖縄問題解決として、「経済力の強化」を唱えています。その根底には、

  • 独立国家(地方)であるためには、強い国である事が必要
  • 強い国家(地方)になるためには、強い経済が必要

という認識があるかと思います。

そのため、橋本氏が提唱する「プランX」は、

沖縄の経済的な恩恵を最大化させる

ようなプランです。

観光と貧困

その中身は、一言で言えば、

「東洋一の観光リゾート」

を目指す路線です。イメージとしては、シンガポールですね。

ただ、既に沖縄は日本の中でも「観光地としてのポジション」を築いていますので、更にそれを磨き、世界に通用する「観光路線」へとアクセルを踏む感じです。

しかし一方で、既に経済全体に占める「観光の割合」が高い沖縄ですが、相対的な貧困率も高く、出生率も高いというデータがあります。

観光で恩恵を受けるのは誰?

こうしたデータや記事を見ていくと、

  • 観光政策で経済的な恩恵を受けるのは、一部の企業や株主
  • 多くの労働者は、経済的な恩恵に預かれない

という実体が浮かび上がってきます。もしそうでなければ、沖縄の貧困率・出生率はもう少し本土に近づいても良い気がします。

つまり、

観光政策の「経済波及効果」はそれほど高くない

というのが私の意見です。実際、2018年に世界遺産登録された五島列島(潜伏キリシタンと関連遺産)を見ていると、

  • 確かに、各スポットの「観光客の数」は数倍に増えた
  • しかし、「観光消費額」がどのくらい増えたのかは疑問
  • 更に、労働者の「実質賃金」に与えた影響は極めて限定的

という感じがします。

そのため、例え沖縄が観光に磨きをかけて、シンガポール並みに潤ったとしても、沖縄県民の暮らしに与える影響はさほど大きくない、と言うのが私の意見です。

国とのけんか方法

さらに本の中では、

「いかに国と喧嘩をするか?」

というテーマで具体的な方法論が述べられていました。

ポイントとしては、

徹底的に相手の嫌がることを仕掛け、譲歩を誘う

という部分でした。この辺りは、バリバリ現役で実務を経験した事があるだけに、さすがやなあと思いました。

ただ、それを実行するにはかなりの勇気と覚悟が必要だから、現実的に

そこまで勇気ある人いるかなー?

という感じもしました。ネットでの評価も見ていると、沖縄の住民の中には、

そこまで本気で、独立路線を目指さなくて良いのでは?

という意見も多い感じがします。

似たような事が、五島列島でも起きていて、私が個別にお宅を回って不便な点などを尋ね歩いていると、

別に不便なことはなかよ。今で十分じゃけん。

と仰る方が、少なくありません。

その辺りは、移住者を始めとする「変化を求める」都会人が、「変化を求めない」島民の方の暮らしにギャップを感じる部分かもしれません。

まとめ

橋本氏の本を読んで思ったのは、

  1. 「東洋一の観光リゾート」は、県民全体への波及効果が疑問
  2. 「国とのガチンコの喧嘩」を望んでいる人が多いのか疑問

という事です。言い換えると、

  • 「外から見た正解」(=いろいろな経済指標の向上)
  • 「内から見た正解」(=本土とは異なるハッピー度)

この間には、少なからぬ温度差があるような気がしました。

そのため、もしも橋本氏が沖縄の知事に就任して、本書に書かれたような「大胆な改革」をした場合、多くの沖縄県民は

なんでそんなことするの?

と感じるような気がしました。

ソトモノの視点や発想も大事ですが、やはり

そこで暮らす人たちが、何を本当に望んでいるのか?

見極めることも大切な気がします。

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