五島市の観光政策に対する疑問

五島市観光政策

五島市の観光政策についてのご紹介です。

まずは今までの流れを簡単に振り返ります。

平成25年:五島市観光振興計画(3年計画)

背景

  • 観光の変化① 団体旅行から個人・グループ旅行へ
  • 観光の変化② 目的が体験や交流などの滞在型観光へ移行傾向

こうした事を踏まえ、

基本方針

  • 観光基盤の整備・充実、おもてなしの向上
  • 豊かな資源の活用、観光客の誘客促進

を掲げ、3カ年計画として取り組んでいました。

平成27年:五島市まち・ひと・しごと創生人口ビジョン・総合戦略(5年計画)

ここでは、

「観光による交流拡大プロジェクト=戦略プロジェクト」

と位置づけ、

  • 国内外からの誘客強化、民泊・教育旅行の強化
  • 観光インフラ整備など

に取り組んでました。さらに、H29に有人国境離島新法で

  • 観光産業における雇用拡充
  • 滞在型観光の事業

が取り組めるようになり、H30には世界遺産登録が決定しました。これらを追い風とし、観光振興策を推進し、

観光産業=市の基幹産業

として定着させ、「官民一体となって各種施策を推進していくことを目的としている」というのが五島市の政策方針です。

観光産業の実体把握

ここからが私の疑問なのですが、果たして観光産業は基幹産業になりえるのでしょうか?

しばしば、「観光はすそ野が広く、経済波及効果が高い」と言われますが、観光産業に従事するのは、

ホテル、レンタカー、飲食店、ガイド、お土産屋さん

という方々だけでして、五島市全体の人口で考えれば、給与所得者の半分にも満たないのが実体です。

人口減少対策を一番のテーマとして掲げる五島市では、効果を検証するために、

  • 観光政策に費やしたお金

と、

  • 観光政策で得られた効果

を天秤にかける必要があります。そうした意味では、平成30年9月の市議会で木口議員が指摘しているように、

経済効果、観光消費額の数値、あるいはまた、観光によって雇用がどれだけ創出されるか

も把握する必要があります。

さらに言えば、五島市は税金を投入して産業を育てているので、会社で言えば「設備投資」をしている訳です。

費用対効果の観点から考えれば、「観光政策がもたらす市税への寄与度」も見ていく必要があるでしょう。例えば、

①観光政策で市税を10億円使いました

②だけど雇用は増えませんでした

➂さらに市税も増えませんでした

では、政策としての効果が疑問となります。現在の状態だと、②、➂がまず指標として見られていません。

五島市としては今後、

観光入り込み客数、延べ宿泊客数だけでなく、観光消費額、観光産業従事者数、観光客満足度なども想定している

との事です。

行政主導と不公平感

私も初年度に国境離島新法で補助金を貰っている立場ですので、あまり大きな声では言えませんが、

観光産業だけ優遇・補助されるのは、税金の使い方として不公平

だと思います。百歩譲って、観光産業が基幹産業であれば、

  1. 観光業が全体として儲かる
  2. 五島市全体がハッピーになる

と思いますが、実際はそうではありません。アベノミクスもそうですが、

大企業が儲かれば、トリクルダウン(シャンパンタワーのイメージ)で他の産業も儲かる

という論理は、実体経済では成立しません。GDPが少し上向きとのニュースが出ましたが、それを実感できている人はどれくらいいるのでしょうか?

少し前の事ですが、平成27年3月の市議会答弁で、市長は「アベノミクスに対する見解」として、

地方で暮らす私たちにとりましては、有効求人倍率の上昇など改善を思わせるものもありますが、日常生活においてはなかなか実感できるまでには至っていないというふうに思っております。

と述べています。おそらく今も、その見解は変わっていないと感じます。むしろ3年前以上に、現場は人手不足で困っています。

五島の中では、医療・介護・小売り・農家など、観光とは関係の薄い業種で働かれている方も多くいます。そうした方に聞いてみれば、

非観光業に従事する私たちにとりましては、世界遺産登録など、観光の高まりを思わせるものもありますが、日常生活においてはなかなか生活の質向上を実感できるまでには至っていない

というのが、心象だと思います。

そのため、観光業が成功したとしても、「非観光業」との所得格差は開く一方となり、政策的に優遇されている事への不公平感は高まると感じます。

そうした点も含め、

行政が主導するお金の使い方ってどうなの?

という部分を、皆で議論し、建設的な批判をすることも大切かと感じます。

私はそれが民主的な政治だと思います。

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