1次産業と政治の関わり方

昨年の記事の続きです。

1次産業を衰退産業から基幹産業へするために

最近は何かと農家さんと関わる機会が多く、考え方もアップデートされたので、その部分も踏まえて、今の考えを整理しておきます。

儲かっている人は存在する

五島の農家さんの中には、儲かっている方も少なからずいます。

それだけでなく、儲けを目的とせず、農業に関わっている方もいます。

私は、儲かっている事業者には、政治的な支援は不要だと思います。

なぜなら、「儲かる人」は政治力に頼らなくても、勝手に成功するからです。成功している農家さんのお話で印象的だったのは、

TPPなんて、『どうぞご自由に』という感じだ。うちはしっかりしたモノを作っているから、怖くない

という事でした。これがシッカリとモノを売っている人の発想です。

今や「所得のための」農業は、企業型で行っていますので、機材やデータも資本の一種です。

太陽光発電と同じように、野山を開発して土地を整備して、アメリカのように大規模経営を行う事業者が現れても、市は支援が必要なのでしょうか?

農業や漁業に限らず、資本(企業)は黙っていても自然に拡大します。

金融商品に対する課税制度もそうですが、政治は資本に対して甘すぎです。

所得が増えても従事者は増えない

これを踏まえ、現在の市長の言葉を引用です(H25.6月議会)。

農林水産業は五島の基幹産業であるというふうな位置づけをしておりまして、ただ、職業としてしっかりと確立しなければ、後継者も育たないというふうに思っております。

とにかく漁師、農家の所得向上、これを図らなければ、つまるところ人口減といったものへの歯どめもかかりませんので、これについては重点項目という形で取り組んでまいりたいと思います。

順序としては

①市役所の支援(主に輸送コスト)

②所得の向上

➂農林水産業の従事者が増える

④人口減少対策に繋がる

というシナリオに見えます。

しかし現代の産業構造(個人型よりも企業型が有利)では、経営者の所得の向上しても、一次産業の従事者は増えません。

増えるのは低賃金の労働者で、現在はこれを多くの部分、外国人に頼っています。

そもそも昔のように、「食うに困る」時代はとうの昔に終わりました。

社会の仕組みと前提

現在の一次産業に対する五島市の政治的スタンスは、

お金が必要とされる社会で、所得を向上させるためのコスト支援を実施

していますが、今後は

お金が必要とされない社会で、生活の質を向上させる支援

を行っていく方が良いではないでしょうか。その中の一つとして、例えば健康に暮らしたい人への無農薬農法の推奨があっても良いかもしれません。

2019年の台風19号の大規模停電で明らかになったのは、

「物流とエネルギーが分断されるリスク」

です。こうした自然環境の変化も踏まえると、

いかに小さく生き延びるか?

が死活的なテーマとなります。

エネルギーも今や、島の中で発電施設が増えています。

現状の五島市の支援は、「外貨を稼ぐための」一次産業の支援です。

本来、稼ぐためには政治的な支援は不要だし、仮に稼いだところで本来の目的(人口減少対策)には繋がりません。

そうではなく、これからは「内需を満たすための」一次産業の支援が政治に求められます。

さらに五島で言えば、優先順位としては「外貨を稼ぐ」よりも前に、「経済の穴を塞ぐ」事が先決です。

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